国に稀なる良いお酒

北海道は最北の酒蔵、増毛町に位置する「国稀酒造」。明治15年の創業以来、冬の寒さもとりわけ厳しいこの土地で、ニシン漁に沸いた時代から今に至るまで、歩みを止めることなく日本酒を造り続けてきました。
初代の本間泰蔵が「國に稀なる良いお酒」をとの思いを込めて、そのお酒に名付けたのが「國稀」。　この代表作「國稀」をはじめ、特別純米や吟醸、辛口の「鬼ころし」、アルコール度を19.5度まで高めた、オンザロックに向いた「北酔」や、酒造好適米「吟風」を用いた純米酒「吟風國稀」など、多彩な日本酒を造り、ファンのもとへ届けています。
國稀酒造は地元増毛で作られたお米を多く原料として使用しています。その生産者のひとりは、海風が山へと吹いてゆくこの土地では、ミネラルを含むその風を受けて育つ作物はどれもとても美味しいと語ってくれました。
そしてその作物を育てる水は、仕込みに使われる水と同じ、暑寒別岳連峰を源とした清らかな水。この米、水に伝統的な南部杜氏の技、蔵人たちの思いがひとつになって、これらの素晴らしいお酒をもたらすのです。
増毛の地で創業したこの丸一本間合名会社は、設立100年を迎えた平成13年に改名し「國稀」を社名としました。国に稀なる最北の酒蔵は、国に稀なるよいお酒を造り続けています。

初代泰蔵～創業者の名を冠した焼酎

創業者、本間泰蔵は酒粕を原料とした焼酎の製造にも力を注いでいました。その焼酎「日の出」は、地元増毛はもとより、宗谷・樺太地方にまで流通し愛飲されていたそうです。
その「日の出」を半世紀の時を超えて復活させたのが、創業者の名を冠した「初代泰蔵」。蒸留酒、スピリッツでありながらも、日本酒の風味を残したこのお酒こそ、北海道の誇る日本酒の酒蔵、国稀酒造が送り出す酒粕焼酎なのです。

「イヌリン」の驚異のはたらき

イヌリンは自然界において、様々な植物によって造られる多糖類のひとつ、食物繊維です。じゃがいもが作り出すでんぷんとは異なり、人間の消化器では分解ができないため、そのまま大腸まで届き、ビフィズス菌などの腸内の善玉菌の餌となり代謝されます。
他の炭水化物に比較すると、イヌリンのエネルギー量はわずか1/3～1/4に留まり、カルシウムやマグネシウムの吸収も促進します。
さらに、食後の血糖濃度上昇を抑制する働きがある上、腸内細菌の代謝産物がインスリン感受性を向上させることから、糖尿病患者の血糖値を適切な水準に調節することが報告されています。

イヌリンを豊富に含むスーパーフード、キクイモ。

そのイヌリンを、他の食材とは段違いなレベルで豊富に含むのが「キクイモ」。一年でその土地の栄養素をすべて吸収してしまうとまで言われるほどの旺盛な生命力は、その塊茎にたっぷりとイヌリンを蓄えて、冬を越し春に芽を吹かせます。サプリメントによらず、自然の植物のイヌリンを摂取したいと考える方にとって、キクイモはまさにうってつけの食材。簡単・安価に輸入物のイヌリン成分だけを購入するのではなく、この北海道の土地に育ったキクイモを、栄養分をたっぷりと蓄えた秋に収穫した上で、化学的な方法に依らずに、キクイモの成分と一緒にイヌリンを取り出し、キクイモの良さを生かした食品を創り出すことができないかと考えました。

酒粕焼酎とキクイモの出会い

血糖値が気になる方々が、糖質を考えて諦めることが多いのが日本酒。代わりに蒸留酒を手に取る方は少なくありません。 そんな方々のために、このキクイモをお役に立てることはできないか。蒸留酒とブレンドするためにはどうすればよいのか。各種論文をひもとき、イヌリンが失われず、かつ美味しさを引き出せるように、試行錯誤を重ねた結果、キクイモの焙煎にたどり着きました。
北海道産のキクイモで、血糖値が気になる方々も楽しめるお酒ができないか、その思いに応えてくれたのが、「初代泰蔵」を擁する国稀酒造。抽出したキクイモエキスと酒粕焼酎を、味わいとイヌリン含有量のバランスに細心の注意を払って完成させたのが、焙煎香をまとった琥珀色のお酒、「のまさるイヌリン」。
北海道の方言である「のまさる」は、意図せず、飲もうと思っていないのに、気づいていたらつい飲んでしまった、そういったニュアンスを含んだ言葉。その味わいから、ついつい「のまさってしまう」この新しいお酒を、「のまさるイヌリン」と命名することにしました。
血糖値が気になる方も、そうではない方も、皆さんが自然に楽しめるお酒というデザインコンセプトのもとに、従来の国稀酒造のラインナップとは変わったラベルをデザインしました。
「日本酒は控えているから」という消極的な理由ではなく、香りが好きだから、健康にもよいから、そういった理由で選んでいただけるお酒に育てていければ、と願っています。
「のまさる」からといって、くれぐれも飲みすぎにはご注意くださいね！

のまさるイヌリン

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