道産ワインと食のペアリング企画シリーズ

北海道のワイナリーはいまや50以上となり、さらに増え続けています。あたらしい日本ワインの生産地として注目されている北海道のワインと、それに合う道産食材を5回シリーズでご紹介していきます。地域食材とのペアリングを通して、発展目覚ましい道産ワインを体感してみませんか?

上ノ国ワイナリー

ワイナリーのスタート

 上ノ国開発(株)が運営する上ノ国ワイナリーは、北海道南部の日本海に面した上ノ国町湯ノ岱地区の、函館空港から車で1時間ほど、新幹線木古内駅からは車でわすが20分のところにあります。町民有志の発案を受けて町役場が中心となって構想・開発を進めて、平成27年に廃校した旧湯ノ岱小学校を再生利用した、全国初となる宿泊も可能なサテライトオフィス付きのワイナリーとして、2022年1月にグランドオープンしました。
 体育館を再生した醸造ゾーンは、年間10万本の製造まで可能な設備と最新型の醸造タンクを整備、同ワイナリーを起点に、近隣の市町村と連携してワイン用の自社ぶどう畑を50haまで拡大する計画です。自社のふどうが育つのを待つことなく、すでに昨年10月から、近隣や山梨県から仕入れたぶどうを使ってワインの醸造を開始しています。また、ワインの醸造だけでなく、地域の農産品の加工も手掛けて、ワインと共に、全国に向けて上ノ国をアピールする販売プロモーションを行っていく計画です。
 一方、サテライトオフィスゾーンには、個室、ミーティングルーム、キッチン、浴場が完備されています。湯ノ岱地区には泉質の良さで知る人ぞ知る秘湯「湯ノ岱温泉」があり、優れた温泉が一年中楽しめるほか、ワイナリー施設は町営のスキー場と隣接しており、冬はスキー・スノーボード、春から秋は釣りが楽しめるワーケーション環境となっています。
 そうした利点を活かして、上ノ国ワイナリーではワインツーリズムやエンタテイメント性を加えたイベントを開催するなど、地域への収入、人材の流入を拡大していく構想を描いています。

旧湯ノ岱小学校を再生利用した上ノ国開発(株)の本社社屋
林業が盛んだった湯ノ岱地区。小学校から生まれ変わったサテライトオフィスは木の温もりに溢れている
利用者は地元の新鮮な食材を使って、キッチンで自由に調理できる

上ノ国開発:加藤卓也会長インタビュー

  • —-上ノ国ワイナリー設立の経緯は?

上ノ国でワインづくりができないかと思い立ったのは確か2014年、今から八年前のことでした。一番の動機はなんといっても過疎と高齢化をなんとかするにはどうしたらいいのか、でした。「ワイナリーをつくって自分も大好きなおいしい赤ワインを飲みたい!」、が二番目。

上ノ国町は北海道で和人が最初に定住した歴史ある地域ですが、人口は1960年の14,674人をピークに減り続けて今は4,400人。ワイナリーがあるこの湯ノ岱地区もかつては林業が盛んで1,800人を超えていたのが、今はわずか200人ほどに。しかもそのうちの半分が65歳以上の高齢者です。
 おいしいワインを作ることはもちろんですが、「外に開かれたワイナリーづくり」を通じて、町外のいろいろな才能を持った人たちとの交わりが増えて、地元に仕事が増えて、お金が入ってきて、という良い循環を生み出したいと思ったわけです。

そのために、サテライトオフィス、コロナで注目されるようになった今でいうところのワーケーションとワイナリーをセットにした施設を開こうと考えました。

ワインは地元の文化や誇りを高める力を持っています。湯ノ岱に開いたこの宝物をハブとして多様な人材と才能が出会って、新しいスタイルの地域づくりが展開されていくことを期待しています。

—- 初出荷の感想とワインの出来具合は?

今回、上ノ国ワイナリーが初めて世に送り出す初出荷ワインの「上の泡 セイベル ロゼ スパークリング 2021」は、上ノ国の隣町、厚沢部町で育てられたワインぶどう品種、セイベルを100%使ったスパークリングワインです。 赤ワインに近い濃い色合いと、セイベル種のドライな酸味と瓶内で二次発酵させる、シャンパーニュ製法で作られた繊細でエレガントな味わいの、辛口ロゼに仕上がったと思っています。みなさん、ぜひ道南の風土(テロワール)を感じてください。

地元への熱い思いを語る加藤会長
米国FLEXTANK社のポリエチレンタンク群。樫樽と同等以上の酸素透過性を持ち、卵型のタンク内では自然対流が起きて、狙い通りの樽香と熟成感が得られるように設計されている。

上ノ国ワイナリー公式ページ
https://kaminokuni-winery.jp/

上ノ国ワイナリーのワインの紹介

シリーズ特別販売品

シリーズ特別オンラインセミナーへご招待

上ノ国ワイナリーは、廃校になった小学校の体育館を利用したワイナリー。その小学校の教室だった場所は、サテライトオフィスや宿泊施設
としても開放しています。上ノ国ワイナリーを手掛ける地域商社、上ノ国開発(株)のワインづくりを起点とした地域創生、今回初蔵出しのワイ
ンについて、お聞きします。道南の旬の食材と、上ノ国ワイナリーのワインのマリアージュもお楽しみください。

【開催URL】
こちらのURLからご視聴できます。
https://www.youtube.com/watch?v=2ZtOgDk-7Pw