北海道・和寒雪割そば

北緯44度、北海道でもとりわけ寒さが厳しいことで知られる旭川市から、さらに36km北に位置する和寒町。ここは知る人ぞ知る、品質の高い蕎麦の産地。生産量も少なく貴重な和寒の蕎麦の実を、冬季間雪に覆われたコンテナで熟成し、さらに真冬の川にさらして雑味を抜き甘みを増しました。それを石臼で丁寧に挽いて生まれたのが、和寒雪割そばなのです。

石狩と天塩を分かつ「塩狩」

 和寒町は北緯44度が走る旭川市から、さらに36km北に向かった町です。はるか昔からからこの辺りはアイヌの人々の内陸交通の要所でした。町の入り口は、石狩川が拓く石狩国と天塩川が拓く天塩国を分かつ峠であることから明治時代に「塩狩(しおかり)」と命名されました。
 その塩狩は峠を逆走する列車を身を挺して止めた、キリスト者の長野政雄をモチーフにした、三浦綾子の小説『塩狩峠』が1960年代に大ヒットして、全国に広く知られるようになりました。
 塩狩峠には三浦綾子の旧宅を復元した塩狩峠記念館や長野政雄の顕彰碑があり、今も全国から人々が訪れています。

和寒町東山から望む和寒市街
JR北海道・塩狩駅

見出されたそば栽培適地、和寒

 和寒町は冬寒く雪深い一方で、夏は暑く、年間の寒暖差は60度を超えます。農業は水稲がメインですが、雪の下貯蔵で甘みを増す『越冬キャベツ』、作付け日本有数を誇る『カボチャ』などがブランド化されています。和寒フェアやイベントでは、越冬キャベツを求めて多くの人々が長い列をつくります。
 その和寒の町の中心部から10kmほど西に位置する山間に、そばの名産スポット、西和地区があります。年間を通じて、寒暖差が激しく、特にそばが成長する夏の時期の一日の寒暖差が大きいので、防除を行わなくて済むほどに病気や害虫の発生率が低いのです。北海道の数多くのそばの産地のなかでも、特に和寒は適地として関係者から最近注目されているのです

そばの作り手、南さん

 農事組合法人ハーベストホームの南勝彦代表は、和寒に移り住んだ農家の3代目。
そば栽培はご自身の代から始めて、今や和寒を代表する「そば農家」です。60haの広大なそば畑では、寒さに強く倒れにくい品種の「きたわせ」を栽培。毎年6月中旬に播種して9月上旬に収穫、乾燥したそばの実は、倉庫(コンテナ)に入れて寝かせます。そして、冬を迎えるとコンテナはすっぽりと雪に覆われます。
「冬の間、このコンテナのなかでそばが熟成して、ほんのりとした甘みを増すんだ」と、南さんはニヤリと笑います。

南さんと雪で覆われたコンテナ。そばがぎっしり

生産者だからこそ実現できた、高品質で希少な「和寒雪割そば」

こだわりの石臼挽き

 最初はそばを栽培するだけだった南さんですが、「そばを知っている自分がその先のことにもこだわらなければダメだ」と考え、自前の石臼挽き工場を開設しました。そして出荷のタイミングに合わせて、その都度、自分でそばを挽くのです。製麺の直前にそばを挽くことで、風味を保ったそばを提供することにこだわります。
 南さんは石臼そのものにもこだわっています。そば粉は熱にとても弱く、製粉時の摩擦熱で水分とともに風味が飛んでしまいますが、南さんの「石臼挽き」は、ゆっくり時間をかけて粉にするため、熱が発生しにくく、玄そばが本来持っている味や香りを楽しめます。

ゆっくり挽くことで、そば粉に水分が留まり、しっとりとしたそば粉
南さんと人気店「和寒雪割そば」

そば店を開店、有名人気店に

 さらに南さんは12年前、6次化のこだわりを更に一歩進めて、旭川市内に十割蕎麦のお店「和寒雪割そば」を開店しました。開店当初は自ら手打ちしてお客様に出来立てを振舞ったそうです。今では「和寒雪割そば」は、グルメサイトでも高得点を誇る、旭川の人気そば店となりました。
 

『和寒雪割そば』を初めて製品化

 この度、その人気の「和寒雪割そば」の味わい、風味をご家庭で食べられる「生そば」にすることに成功しました。天然の雪室ともいえるような雪に覆われた倉庫のなかで熟成したそばの実を、食べ頃を見極めて石臼挽きした後、製麺一筋の旭川の北海製麺(株)で、そば粉五割、北海道産小麦粉五割で製麺し、細胞破壊の少ない3Dフリーザーでそのまま急速凍結。和寒そばの風味をそのままに、のどごしが良い製品に仕上がりました。
 南さんも納得の逸品です。

北海製麺の林豊常務。何度も試行錯誤して遂に、和寒雪割そばの風味が香り、のどごしが良いそばに仕上げました

雪割そばのポテンシャルを引き出すそばつゆを特別に開発

 今回、和寒雪割そばの美味しさを、ご自宅で十分に引き出して楽しんでいただくためには、そばつゆの力も重要。なので既存のものではなく、旭川の老舗つゆメーカー「味楽屋(みらくや)」に、和寒雪割そばにマッチしたそばつゆの開発を依頼しました。何度も試作と試食を繰り返し、遂に和寒雪割そばとマリアージュする、特別なそばつゆが完成しました。
 上品な醤油と鰹節の出汁の香りは、どなたにも幅広く楽しんでいただくことができ、主役のそばのそばにぴったり寄り添います。まさに、和寒雪割そばの持つポテンシャルを余さずに引き出してくれる傑作そばつゆなのです!
 そのおいしさの秘密は、醤油と出汁の独自のブレンド技術と、「醤油」そのものにあります。
 今回採用した醤油は、現存する旭川最古の醤油醸造メーカー・日本醤油工業(株)の醤油です。
 日本醤油工業の前身は、旭川の最初の入植者である鈴木亀蔵氏が、明治23年札幌の笠原喜助・喜八郎氏兄弟とともに、興した笠原酒造店。
 130年以上地元北海道で愛され続け、確固たる醸造技術で醤油製造を続ける一方、現代の食生活に合わせた新たな商品開発も積極的に行ってきました。特に、網走産の特大シジミを使った『しじ美醤油』は、シジミの旨みをぎゅっと閉じ込めた味わい深さで、北海道でもファンが多い逸品です。
 そんな温故知新を大切にする日本醤油工業から、「北海道を元気にする商品開発であれば!」と今回特別に協力いただき、そばつゆに合った醤油を提供いただくことで、他にはなかなかないこだわりのそばつゆが出来上がったのです。

創業当時から今も使われる、木造の大きな社屋

この雪割そばには、山わさびもよく合います。ぜひ、真っ白な大根おろしと山わさびを、真冬の和寒のそば畑を覆う新雪に見立てた一皿に仕上げて味わってください。

和寒町 奥山 盛町長からのメッセージ

 みなさん、こんにちは。和寒は開拓以来、農業を中心とした町で、かつては除虫菊の生産が盛んで人口も一万人を超えていました。現在も、作付面積日本有数のカボチャの他、道内でも有数の冬の寒さを逆手に取って雪の下にキャベツを寝かせて真冬に出荷する「越冬キャベツ」で知られています。しかし、農家の担い手不足は深刻で、人口も三千人を切ろうかという状況です。
 そうしたなかで、今回、和寒産のそばをご自宅で楽しめるはじめての商品「和寒雪割そば」が誕生しました! 実は、和寒はそばの栽培にとても適した気候、そして土地、水に恵まれた山あいを有する町なのです。生産量は多くはないけども、そば通が求める希少な和寒のそば。そんな「和寒雪割そば」ブランドで町が元気になるように、食べるみなさんが嬉しくなるように頑張ります。
皆さん、応援よろしくお願いします!!

「和寒雪割そば」仕様

【冷凍和寒雪割そば 寒ざらし】

名称冷凍生そば
原材料名そば粉(和寒産)、小麦粉(北海道産)/増粘剤多糖類、酒精、増粘剤(アルギン酸エステル)、 (小麦の一部に小麦、そばを含む)
内容量240g(120g×2食入り) (6食入り=3セット)
賞味期限製造日から6か月
保存方法-18℃以下で保存してください。
冷凍前の加熱の有無加熱してありません
加熱調理の必要性加熱してお召し上がりください。
製造者北海製麵株式会社(北海道旭川市流通団地2条1丁目12-5)
販売者合同会社人考研(北海道札幌市豊平区西岡3条7丁目8-8)
※特定原材料7品目:小麦、そば

【付属品:そばつゆ】

濃縮度8倍濃縮
内容量270g×1本
原材料しょうゆ(国内製造)、砂糖、本みりん、液体だし、しょうゆ加工品(しょうゆ、昆布、昆布エキス、その他)、本カツオ、宗田カツオ/調味料(アミノ酸等、核酸)
賞味期限180日
保存方法常温
製造者有限会社味楽屋
※特定原材料7品目:小麦
※特定原材料に準ずる20品目:さば、大豆

お召し上がり方

①冷たいおそばの場合:
 冷凍のままのそばを、沸騰したたっぷりのお湯に静かに入れ、そばどうしがくつかないように約2分間ゆでて、冷水で洗います。添付したつゆにつけてお召し上がりください。
 お好みで添付した山わさびパウダーをつゆに入れたり、大根おろしをそばの上にかけ、その上に山わさびパウダーをお好みでふりかけてもおいしくお召し上がりいただけます。

②あたたかいおそばの場合:
 冷凍のままのそばを、沸騰したたっぷりのお湯に静かに入れ、そばどうしがくつかないように約1分40秒間ゆでて、冷水で洗います。添付したつゆをあたためてください。水洗いしたそばをサッと湯通ししてどんぶりに入れ、あたためておいたつゆをかけてお召し上がりください。
 お好みで添付した山わさびパウダーを入れたり、大根おろしをそばの上にかけ、その上に山わさびパウダーをお好みでふりかけてもおいしくお召し上がりいただけます。